産前産後休暇 計算ツール

出産予定日を入力するだけで休業開始日・終了日を自動計算

出産予定日を入力

入力すると予定日との差分を比較表示します

使い方

  1. 「出産予定日」の日付入力欄に予定日を選択します
  2. 双子・三つ子などの多胎児の場合は「多胎児」トグルをオンにします
  3. 「計算する」ボタンを押すと、産前・産後休暇の開始日・終了日・育児休業開始日が表示されます
  4. タイムラインで休業期間全体を視覚的に確認できます
  5. 「結果をコピー」ボタンで計算結果をテキストとしてコピーできます

産前産後休暇とは

産前産後休暇とは、労働基準法第65条に基づき、出産前後の働く女性が取得できる休業制度です。産前休業は出産予定日の6週間前(多胎の場合は14週間前)から、産後休業は出産翌日から8週間が対象期間となります。この期間中、健康保険の被保険者であれば出産手当金を受け取ることができます。また休業中も社会保険料の免除申請が可能です。

産後8週間の休業期間が終了した翌日から育児休業を取得することができます。育児休業中は育児休業給付金(雇用保険から支給)を受け取ることができます。本ツールはこれらの日程をあらかじめ把握するためのシミュレーションを目的としています。

計算ルール詳細(多胎児・実際の出産日)
区分期間備考
産前休業(単胎) 出産予定日の6週間前〜出産日 本人請求で取得
産前休業(多胎) 出産予定日の14週間前〜出産日 双子・三つ子等
産後休業 出産翌日〜8週間後 最初の6週は強制休業
  • 産前休暇は労働者本人が請求した場合のみ取得できます(強制ではありません)
  • 産後6週間は強制休業期間です(本人が希望しても就業不可)
  • 産後6〜8週間は、本人申出と医師の許可があれば就業可能です
  • 実際の出産日が予定日と異なる場合、産後休暇の終了日もずれます
  • 公務員・自営業者は適用外の場合があります
育児休業・出産育児一時金などの関連給付金
出産手当金
健康保険加入者が産前産後休業中に受け取れる給付金です。1日あたり「標準報酬日額 × 2/3」が支給されます。支給対象期間は出産予定日以前42日(多胎の場合は98日)から出産後56日間です。勤務先の協会けんぽまたは健康保険組合に申請します。
育児休業給付金
雇用保険加入者が育児休業中に受け取れる給付金です。産後休業終了翌日から取得可能で、最初の6か月は休業前賃金の67%、その後は50%が支給されます。子どもが1歳になるまで(保育所未入園等の場合は最長2歳まで延長可)が対象です。
出産育児一時金
健康保険加入者が出産した場合、子ども1人につき50万円(令和5年4月以降)が支給されます。多胎児の場合は人数分が支給されます。直接支払制度を利用すると病院への支払いに充当できます。
社会保険料免除
産前産後休業中および育児休業中は、本人・事業主双方の社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されます。免除された期間も年金受給額への影響はなく、保険料を納付したものとして扱われます。
よくある質問(FAQ)
予定日より早く生まれた場合、産前休暇はどうなりますか?
予定日より早く生まれた場合、産前休暇は短縮されますが産後休暇は実際の出産日の翌日から起算して56日間が確保されます。本ツールの「実際の出産日」欄に入力すると正確な日程を確認できます。
予定日より遅く生まれた場合は?
産前休暇は予定日基準で開始しているため、実際の出産が遅れた分だけ産前休暇が延長される形になります。産後休業は実際の出産日の翌日から56日間です。
流産・死産でも産後休業は取れますか?
妊娠4か月(85日)以降の流産・死産の場合、産後休業(8週間)を取得できます。また出産手当金の支給対象にもなります。
パパ育休(産後パパ育休)との違いは何ですか?
産前産後休暇は母親のみが取得できる休業です。父親が取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」は出産後8週間以内に最大28日間取得できる制度です。2022年10月から施行されました。
パートタイム・アルバイトでも取得できますか?
労働基準法上の産前産後休業はすべての労働者に適用されます。ただし出産手当金は健康保険の被保険者(継続1年以上等の要件あり)、育児休業給付金は雇用保険の被保険者が対象です。
自営業・フリーランスは産前産後休暇を取れますか?
労働基準法は労働者が対象のため、自営業者・フリーランスには適用されません。ただし国民健康保険の加入者は出産育児一時金を受け取ることができます。
産前・産後休暇中も給与は支払われますか?
産前産後休業中の給与支払い義務は法律では定められていません。ただし出産手当金(標準報酬日額の2/3)を健康保険から受け取ることができます。就業規則で有給扱いにしている企業もあります。
参照法令・出典・免責事項

免責事項:本ツールの計算結果は労働基準法等に基づく参考値です。実際の休業日程・給付金額は勤務先の就業規則・加入保険・雇用形態によって異なります。正確な情報は勤務先の人事担当・社会保険労務士にご確認ください。

日程は実際どう動くのか — 3つのケースで確認する

産前産後休暇でもっとも分かりにくいのが、「予定日どおりに生まれなかったとき、どの日付がずれて、どの日付がずれないのか」という点です。ここでは出産予定日を2026年10月1日と固定し、単胎(赤ちゃん1人)の場合に本ツールが返す日程を並べて比較します。実際にツールへ同じ日付を入力すると、同じ結果が表示されます。

ケース1:予定日どおりに出産した場合

条件:出産予定日 2026年10月1日/単胎/実際の出産日も10月1日

項目日付日数
産前休業 開始日2026年8月20日42日間
産前休業 終了日2026年10月1日(出産日)
産後休業 開始日2026年10月2日(出産翌日)56日間
産後休業 終了日2026年11月26日
育児休業 開始可能日2026年11月27日
合計休業期間8月20日 〜 11月26日99日間

産前休業の開始日は、出産予定日そのものを含めず、そこから暦日で42日さかのぼった日です。「6週間前」を週単位で数えると1〜2日ずれることがあるため、本ツールは日数で計算しています。合計の99日間は「産前42日+出産日1日+産後56日」の内訳です。

ケース2:予定日より2週間早く生まれた場合

条件:出産予定日 2026年10月1日/単胎/実際の出産日 2026年9月17日(14日早い)

項目予定日基準実際の出産日基準差分
産前休業 開始日8月20日8月20日変更なし
産前休業 終了日10月1日9月17日−14日
産前休業 日数42日間28日間−14日
産後休業 開始日10月2日9月18日−14日
産後休業 終了日11月26日11月12日−14日
育児休業 開始可能日11月27日11月13日−14日

ここが最重要のポイントです。産前休業の開始日だけは動きません。すでに8月20日から休業に入っているため、過去にさかのぼって変わりようがないからです。その代わり産前休業の実日数が42日から28日へ短くなります。一方で産後休業の56日間は減りません。産後休業は予定日ではなく実際の出産日の翌日から起算するため、出産が早まった分だけ産後休業の終了日も、その翌日である育児休業の開始可能日も、そろって14日前倒しになります。

「早く生まれたぶん休みが短くなるのでは」と心配する方が多いのですが、短くなるのは産前側だけで、産後の8週間は確保されます。ツールの「実際の出産日」欄に日付を入れると、この差分表が自動で表示されます。

ケース3:予定日より10日遅れて生まれた場合

条件:出産予定日 2026年10月1日/単胎/実際の出産日 2026年10月11日(10日遅い)

項目予定日基準実際の出産日基準差分
産前休業 開始日8月20日8月20日変更なし
産前休業 日数42日間52日間+10日
産後休業 開始日10月2日10月12日+10日
産後休業 終了日11月26日12月6日+10日
育児休業 開始可能日11月27日12月7日+10日

遅れた場合は逆に、産前休業が10日分そのまま延びます。出産予定日を過ぎても出産まで就業義務は戻らないためです。産後休業の56日間はやはり変わらず、終了日と育児休業開始可能日が10日後ろにずれます。職場復帰日を「予定日から逆算した日付」で申告したまま出産日がずれると、実際の復帰可能日と食い違います。出産後に必ず再計算して、勤務先へ共有し直してください。

なお双子・三つ子などの多胎の場合は、「多胎児」トグルをオンにすると産前休業が98日に延びます。同じ予定日2026年10月1日なら産前休業の開始日は2026年6月25日となり、合計休業期間は155日間です。産後休業の56日間は単胎と同じで、多胎でも延長されません。

なぜ42日・98日・56日なのか(根拠)

この日数は労働基準法第65条に定められた期間に対応しています。同条は、産前について「6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない」と定め、産後について「産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない」と定めています。ただし産後は、6週間を経過した後に本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務については就業が可能とされています。

本ツールが週ではなく日数で計算しているのは、この6週間・14週間・8週間をそれぞれ暦日に換算した42日・98日・56日で数えるためです。カレンダー上の「6週間前の同じ曜日」と一致しないケースがあるので、日付は必ず実際の暦で確認してください。

また、産前と産後で基準となる日が違うことも法律の構造に由来します。産前は「出産する予定の女性」が対象なので出産予定日を基準に前倒しで始まり、産後は「産後8週間」なので実際に出産した日を基準に数えます。この非対称性が、ケース2・ケース3で見た「産前開始日だけ動かない」という挙動の正体です。本ツールもこの通りに計算しています。

計算結果を実務でどう使うか

  1. 勤務先への申出に使う。産前休業は本人が請求してはじめて取得できる休業です。多くの企業では就業規則に申出の期限や様式が定められています。「結果をコピー」ボタンを押すと、産前・産後の開始日と終了日、育児休業開始可能日がテキストとしてクリップボードにコピーされるので、そのまま人事担当へのメールやチャットに貼り付けられます。
  2. 業務の引き継ぎ計画を逆算する。産前休業の開始日が確定すれば、そこから逆算して引き継ぎ資料の作成期限や後任への説明日程を組めます。妊娠経過によっては予定より早く休業に入る可能性もあるため、開始日の2〜3週間前には引き継ぎを終えられる計画にしておくと安心です。
  3. 保育園の申込スケジュールと突き合わせる。認可保育園の4月入園の申込受付は、多くの自治体で前年の秋ごろに設定されています。育児休業開始可能日が分かれば、いつまでに復職するつもりかを申込書に書けるようになります。締切と必要書類は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村の案内を必ずご確認ください。
  4. 給付金の申請時期の目安にする。出産手当金は産前産後休業の期間について、育児休業給付金は育児休業開始日以降について申請します。休業期間が確定すると、いつ申請書を用意すべきかが逆算できます。実際の申請手続きと必要書類は、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)と勤務先の担当部署にご確認ください。
  5. 出産後にもう一度計算し直す。実際の出産日が確定したら「実際の出産日」欄に入力して再計算し、産後休業の終了日と育児休業開始可能日を更新してください。この2つの日付は勤務先・保育園・給付金の手続きすべてに関わります。

陥りやすい誤解と注意点