残業代計算ツール — 法定・深夜・休日割増賃金を正確計算

月給制・時給制に対応。割増賃金の種類別に入力するだけで自動計算

入力データはブラウザ内のみで計算され、サーバーには一切送信されません。

残業代を計算する

通常は160〜173時間(例:8時間×20日=160時間)。給与明細や就業規則でご確認ください。
時間

残業時間の内訳を入力

法定内残業 所定外・法定内(8時間まで)
+0%
時間
法定外残業 月60h以内 法定8時間超・月60時間まで
+25%
時間
法定外残業 月60h超 月60時間を超えた分
+50%
時間
深夜残業 22時〜翌5時の法定外残業
+50%
時間
休日労働 法定休日(週1日)の労働
+35%
時間
深夜休日労働 法定休日の22時〜翌5時
+60%
時間

使い方

  1. 「月給制」または「時給制」タブを選択します
  2. 月給制の場合は月給(円)と月所定労働時間(時間)を入力します。1時間あたりの基本賃金が自動表示されます
  3. 時給制の場合は時給(円)を直接入力します
  4. 残業の種類ごとに該当する時間数を入力します(0のままでも計算できます)
  5. 「残業代を計算する」ボタンを押すと、内訳・合計・未払い参考額が表示されます

残業代(割増賃金)とは

残業代とは、法律で定められた時間を超えて働かせる場合に会社が支払わなければならない割増賃金のことです。労働基準法第37条により、使用者は法定時間外労働・深夜労働・休日労働に対して割増賃金を支払う義務があります。基本となる1時間あたりの賃金に割増率を乗じた金額が残業代となります。月給制の場合、1時間あたりの賃金は「月給 ÷ 月所定労働時間」で算出します。割増率は残業の種類によって異なり、法定外残業は25%(月60時間超は50%)、深夜労働(22〜5時)は25%、法定休日労働は35%です。これらが重複する場合は合算して計算します。

ケーススタディ:3つの入力例で残業代の内訳をたどる

残業代の計算そのものは掛け算だけですが、実際につまずくのは「どの数字を時給として入れるか」です。ここでは3つの入力例で、金額がどう決まりどう変わるのかを具体的に追いかけます。以下はいずれも本ツールに実際に入力したときに表示される金額です。

ケース1:月給30万円・所定160時間で、残業43時間の月

  • 月給/月所定労働時間300,000円/160時間
  • 法定外残業(60時間以内)30時間
  • 深夜残業(22時〜5時)5時間
  • 休日労働8時間
  1. 1時間あたりの基本賃金:300,000 ÷ 160 = 1,875円
  2. 法定外残業30時間:1,875 × 1.25 × 30 = 70,313円
  3. 深夜残業5時間(法定外25%+深夜25%=50%増):1,875 × 1.50 × 5 = 14,063円
  4. 休日労働8時間(35%増):1,875 × 1.35 × 8 = 20,250円

残業代合計 104,626円(基本賃金分80,625円+割増分24,001円)

注目したいのは内訳です。43時間ぶんの「働いた時間そのものの対価」が80,625円、法律が上乗せを命じている「割増分」は24,001円で、全体の約23%にすぎません。つまり残業代が支払われていない場合、失っているのは割増分だけでなく労働時間そのものの対価が大半だということになります。なおこの月の残業代がまるごと未払いなら、本ツールは参考値として2年分(24か月)の 2,511,024円 を表示します。

ケース2:所定労働時間を160時間とするか173時間とするかで、残業代は年6万円変わる

  • 月給300,000円(両方とも同じ)
  • 法定外残業30時間(両方とも同じ)
  • 違い月所定労働時間だけ
  1. 所定160時間の場合:300,000 ÷ 160 = 1,875円 → 残業代 70,313円
  2. 所定173時間の場合:300,000 ÷ 173 ≒ 1,734.1円 → 残業代 65,029円
  3. 差額は月 5,284円、年間では 5,284 × 12 = 63,408円

同じ月給・同じ残業時間でも 年6万円以上 差がつく

月所定労働時間は分母なので、大きく設定するほど時給が下がり残業代も下がります。だからこそ、ここに適当な数字を入れると計算全体が狂います。正しい値は就業規則の所定労働時間と年間休日数から算出されており、給与明細や労働条件通知書に記載されていることも多いので、まずそちらを確認してください。

上限の目安を自分で検算する:法定労働時間は週40時間です。1年を週数に直して月平均に均すと 365 ÷ 7 × 40 ÷ 12 ≒ 173.8時間 となり、これが月平均所定労働時間のおおよその上限になります。就業規則の月所定労働時間がこれを大きく超えているなら、所定労働時間の設定そのものが法定労働時間を超えている可能性があります(うるう年や変形労働時間制の採用状況によって計算は変わります)。

ケース3:固定残業代(みなし残業)4万円が設定されている場合の入力方法

  • 月給の総額300,000円
  • うち固定残業代40,000円(30時間分と明示)
  • 月所定労働時間160時間
  • 実際の法定外残業30時間
  1. 固定残業代は時間外労働の対価なので、割増賃金の計算の土台となる賃金からは除きます:(300,000 − 40,000) ÷ 160 = 1,625円
  2. 本ツールの「時給制」タブに 1,625 を入力し、法定外残業に30時間を入れます。
  3. 本来支払われるべき残業代:1,625 × 1.25 × 30 = 60,938円
  4. すでに固定残業代として40,000円を受け取っているので、差額は 60,938 − 40,000 = 20,938円

追加で請求できる可能性がある額 20,938円

ここで月給30万円をそのまま「月給制」タブに入れて計算すると、基本賃金が1,875円になり残業代が70,313円と出てしまいます。固定残業代を含んだ月給を分母の外に置いたままにすると、時給を過大に見積もることになります。固定残業代が設定されている求人・給与明細では、必ず総額から固定残業代を差し引いた金額を所定労働時間で割ってください。なお、固定残業代として有効に扱われるには、通常の賃金と固定残業代が金額として区別され、何時間分に相当するかが明示されている必要があるとされています。この区別が曖昧な場合の評価は個別の事情によるため、弁護士・社会保険労務士にご相談ください。

割増賃金の「基礎となる賃金」に何を入れるか

本ツールの計算は「1時間あたりの基本賃金 × 割増率 × 時間数」というシンプルな式ですが、この最初の1時間あたりの賃金をいくらにするかで結果はまったく変わります。ここを決めるルールは労働基準法とその施行規則にあります。

原則として、月給に含まれるすべての手当を含めて時給に換算します。役職手当・資格手当・皆勤手当・業績手当などは基礎に含めます。一方で、次のものは法令上、割増賃金の基礎から除外できるとされています。家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金(結婚祝金など)、そして1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)の7つです。この列挙は限定的なもので、ここに載っていない手当を「うちでは残業代の計算に入れない」と会社が独自に決めることはできません。

さらに注意が必要なのは、家族手当と住宅手当の扱いです。これらが除外できるのは、扶養家族の人数や実際の家賃額に応じて金額が変わる場合です。全員に一律で月1万円という形で支給されているなら、名称が家族手当・住宅手当であっても実態は基本給の一部とみなされ、割増賃金の基礎に含めるべきものとされています。給与明細を見て、手当の額が人によって変わるのか一律なのかを確認してください。

ケース3で見たとおり、固定残業代(みなし残業手当)も基礎からは除きます。時間外労働の対価として支払われているものを、さらに時間外労働の単価の計算に含めてしまうと二重計上になるためです。

つまり本ツールの「月給」欄に入れるべき金額は、額面の総支給額ではなく、上記の除外項目を差し引いた金額です。ここを間違えると、割増率をどれだけ正確に選んでも結果は正しくなりません。

計算結果をどう使うか — 給与明細の照合から請求まで

まずは給与明細との照合。タイムカードや勤怠システムの記録から、その月の残業時間を種類別(法定内・法定外・深夜・休日)に集計し、本ツールに入力します。出てきた金額と給与明細の「時間外手当」「深夜手当」「休日手当」の合計を比べてください。数百円の差なら端数処理の方法によるものかもしれませんが、数万円単位で食い違うなら、時給の算定基礎か残業時間の集計のどちらかがずれています。

差がある場合は原因を切り分ける。会社側の集計時間が短いなら勤怠記録の問題、時間は合っているのに金額が低いなら時給の算定基礎の問題です。後者であれば、除外できない手当を会社が基礎から外している可能性があります。どちらの問題かで話す相手も証拠も変わるので、先に切り分けておくと交渉が早く進みます。

証拠を確保する。タイムカードの写し、勤怠システムの打刻履歴、業務メールやチャットの送信時刻、パソコンのログオン・ログオフ記録、入退館記録などが労働時間の証拠になります。在職中のほうが取得しやすいものが多いため、疑問を持った時点で保存しておくことをおすすめします。給与明細も、時給の算定基礎を示す資料として重要です。

請求する場合の窓口。まずは社内の人事・労務担当に確認するのが通常の順序です。解決しない場合は、労働基準監督署への申告、都道府県労働局の紛争解決援助・あっせん制度、弁護士や社会保険労務士への相談といった選択肢があります。本ツールが表示する「2年分の総額」はあくまで月額に24か月を掛けた参考値であり、実際に請求できる金額は各月の実労働時間に基づいて計算し直す必要があります。賃金請求権の消滅時効は現在3年とされていますが、月ごとに時効が進むため、放置するほど請求できる範囲は狭くなります。

陥りやすい誤解

「深夜残業」欄に22時以降の労働時間を全部入れてはいけません
本ツールの「深夜残業」は割増率50%、つまり法定外残業(25%)と深夜(25%)が重なったケース専用の欄です。もともと所定労働時間が深夜帯にかかっている交替勤務などで、法定労働時間内の深夜労働であれば割増は深夜分の25%だけになります。本ツールにはこの25%だけの欄がないため、その場合は時給を1.25倍した値を「時給制」タブに入れて法定内残業の欄で計算するなどの読み替えが必要です。
土曜出勤がすべて「休日労働35%」になるわけではありません
35%の割増がつくのは、週1回(または4週4日)与えられる法定休日に働いた場合です。週休2日制でもう1日のほう(所定休日)に出勤した場合は、法定休日労働ではなく、その週の労働時間が40時間を超えた分が法定外残業として25%の割増になります。どちらの日が法定休日かは就業規則で確認してください。
「月60時間超は50%」の60時間は、法定外残業の累計です
法定内残業や休日労働の時間は、この60時間のカウントには含めません。1か月の法定外残業が累計60時間を超えた時点から、超えた部分に50%の割増率が適用されます。本ツールでは60時間以内の分と60時間超の分を別の欄に入力するため、どこで線を引くかは利用者側で判断する必要があります。
役職名が管理職でも、残業代が出ないとは限りません
残業代の対象外となるのは労働基準法上の「管理監督者」であり、これは肩書きではなく実態で判断されます。出退勤の裁量がない、経営に関する権限がない、待遇が一般社員と大きく変わらないといった場合、課長・部長といった肩書きがあっても管理監督者にはあたらないと判断された裁判例が多数あります。なお管理監督者にあたる場合でも、深夜労働の割増賃金は支払われます。
残業時間の切り捨ては原則として認められません
1日ごとに15分未満・30分未満を切り捨てるような運用は、労働時間の一部を無給にすることになるため原則として違法です。1か月の合計時間について30分未満を切り捨て・30分以上を1時間に切り上げる処理だけが、事務簡便のために認められているものとされています。日ごとの切り捨てが行われていないか、勤怠記録と給与明細の時間数を突き合わせてみてください。
36協定があっても、残業代が不要になるわけではありません
36協定は「法定労働時間を超えて働かせてもよい」という免罰効果を持つだけで、割増賃金の支払い義務を免除するものではありません。協定を結んでいるかどうかにかかわらず、法定外労働には割増賃金が発生します。逆に、36協定がないのに残業させていた場合でも、その残業に対する割増賃金は当然に支払われる必要があります。
割増率の早見表・計算ルール詳細
残業の種類割増率備考
法定内残業(所定外・法定内)+0%(基本賃金のみ)所定時間超〜法定8時間まで
法定外残業(月60時間以内)+25%法定8時間超・月60時間まで
法定外残業(月60時間超)+50%中小企業は2023年4月〜適用
深夜労働(22〜5時)のみ+25%所定内・法定内の深夜
深夜残業(法定外+深夜)+50%(25%+25%)本ツールの「深夜残業」欄
法定休日労働+35%週1回の法定休日
法定休日の深夜労働+60%(35%+25%)本ツールの「深夜休日労働」欄
よくある質問(FAQ)
残業代は1円単位で受け取れますか?
労働基準法上は1円単位で支払う義務がありますが、就業規則で端数処理を定めることがあります。給与計算期間全体で端数処理を行う場合に限り、30分未満を切り捨て・30分以上を1時間に切り上げることは認められています。
固定残業代(みなし残業)が設定されている場合は?
固定残業代を設定している場合、実際の残業代がその固定額を上回った場合は差額を支払う義務があります。本ツールの計算結果から固定残業代を差し引いた額が追加請求できる金額の目安となります。
裁量労働制・フレックスタイム制でも残業代は発生しますか?
裁量労働制ではみなし労働時間が法定時間内であれば残業代は発生しませんが、深夜・休日労働には割増賃金が必要です。フレックスタイム制では清算期間の法定労働時間の総枠を超えた時間に対して残業代が発生します。
計算結果はどう活用しますか?
本ツールの計算結果は、未払い残業代の概算確認・請求交渉の下準備・給与明細の確認などに活用できます。正確な請求額を確定するには、タイムカード等の実労働記録に基づいた計算が必要です。
参照法令・出典・免責事項

免責事項:本ツールの計算結果は労働基準法等に基づく参考値です。実際の残業代は就業規則・雇用契約・固定残業代の有無・適用除外規定などによって異なります。正確な金額の確定や請求は弁護士・社会保険労務士にご相談ください。本ツールの計算結果について、当サイトは一切の責任を負いません。