入力データはブラウザ内のみで計算され、サーバーには一切送信されません。
正規分布グラフ
計算結果
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上のフォームに値を入力して「計算する」を押してください
68–95–99.7 ルール(参考)
| 範囲 | 確率 | 外側(片側) |
|---|---|---|
| μ ± σ | 68.27% | 15.87% |
| μ ± 2σ | 95.45% | 2.28% |
| μ ± 3σ | 99.73% | 0.13% |
使い方
- 「確率を求める」タブで平均μと標準偏差σを入力します(デフォルトは標準正規分布 μ=0、σ=1)
- 計算タイプ(下側確率・上側確率・区間確率)をラジオボタンで選択します
- 境界値aを入力します(区間確率の場合はa〜bの両方を入力)
- 「計算する」ボタンを押すと確率・z値・グラフが表示されます
- 「z値から確率」タブでは標準正規分布のz値を直接入力して確率を逆算できます
正規分布とは(68–95–99.7ルール)
正規分布(ガウス分布)は、平均μと標準偏差σの2つのパラメータで形が決まる連続確率分布です。左右対称のベル型カーブが特徴で、自然界・社会現象の多くがこの分布に近似します(身長・テストの点数・測定誤差など)。
正規分布の重要な性質として「68–95–99.7ルール」があります。
- μ ± σ の範囲: 全体の約 68.27% が含まれる
- μ ± 2σ の範囲: 全体の約 95.45% が含まれる
- μ ± 3σ の範囲: 全体の約 99.73% が含まれる
つまり平均から標準偏差3つ分以上離れた値は約0.27%(約370回に1回)しか起きません。この性質は品質管理・リスク評価・統計的検定で広く活用されます。
標準正規分布とz値の意味
標準正規分布とは平均μ=0・標準偏差σ=1の正規分布です。任意の正規分布の確率を計算するとき、まずz値(標準化得点)に変換します。
z = (x − μ) / σ
z値は「平均から何標準偏差分離れているか」を表します。
- z = 0:平均値ちょうど
- z = 1:平均より標準偏差1つ分高い(上位約15.9%)
- z = -1:平均より標準偏差1つ分低い(下位約15.9%)
- z = 1.96:上位約2.5%(両側5%検定の境界値)
累積分布関数(CDF)はerf(誤差関数)を使って計算します: P(X≤x) = 0.5 × (1 + erf(z/√2))
実務での活用例(品質管理・偏差値・検定)
- 品質管理(製造業)
- 製品の寸法・重量が正規分布に従うと仮定し、規格範囲内に収まる確率を計算します。例:平均100mm・標準偏差0.3mmの部品で99.5〜100.5mmに収まる確率を区間確率で計算します。
- 偏差値換算
- μ=50・σ=10に設定すると偏差値の計算に使えます。例えば偏差値65(境界値a=65)の下側確率は約93.3%で、上位約6.7%に相当します。
- 統計的仮説検定
- 片側検定(有意水準5%)の棄却域はz≥1.645、両側検定(有意水準5%)はz≥1.960です。このツールのz値モードで確認できます。
- 金融・リスク管理
- 資産収益率が正規分布に従うと仮定したVaR(バリュー・アット・リスク)計算に活用します。99%VaR はz=-2.326の下側確率に相当します。
ケーススタディ1:偏差値を確率と人数に翻訳する
偏差値は、テストの得点を平均50・標準偏差10の正規分布に載せ替えた指標です。定義そのものが 偏差値 = z × 10 + 50、逆に z =(偏差値 − 50)÷ 10 なので、このツールに μ = 50、σ = 10 を入れれば偏差値がそのまま境界値として使えます。
操作は次のとおりです。μ に 50、σ に 10 を入力し、計算タイプで「上側確率 P(X ≥ a)」を選び、境界値 a に知りたい偏差値を入れて計算します。表示される上側確率が「その偏差値以上の受験者の割合」です。受験者10万人の模試を想定した人数まで換算すると、次の表になります。
| 偏差値 | z値 | 下側確率 | 上側確率 | 10万人中の順位 |
|---|---|---|---|---|
| 55 | +0.5 | 69.15% | 30.85% | 約30,854位 |
| 60 | +1.0 | 84.13% | 15.87% | 約15,866位 |
| 65 | +1.5 | 93.32% | 6.68% | 約6,681位 |
| 70 | +2.0 | 97.72% | 2.28% | 約2,275位 |
| 75 | +2.5 | 99.38% | 0.62% | 約621位 |
| 80 | +3.0 | 99.87% | 0.14% | 約135位 |
この表が示す最も重要な事実は、偏差値の「10」は、どこで測るかによって価値がまったく違うということです。偏差値50から60に上げると、上側の人数は50,000人から15,866人へ約34,000人減ります。ところが偏差値70から80への同じ10ポイントは、2,275人から135人へ、わずか2,140人ぶんの移動でしかありません。上位層で偏差値を1上げることが難しいと言われるのは、ベルカーブの裾が薄く、同じ順位の変化に必要な得点差が大きくなるからです。
なお偏差値がこの表どおりに機能するのは、得点分布がおおむね正規分布に従っている場合に限られます。満点が近く上位が詰まっている試験や、極端に易しい試験では分布が左右非対称に歪み、偏差値80が存在しなかったり、逆に理論値より多く出たりします。
ケーススタディ2:製造ラインの規格外れ率を見積もる
ある部品の寸法が、平均100.0mm・標準偏差0.3mmの正規分布に従っているとします。図面上の規格は 99.5〜100.5mm です。「区間確率 P(a ≤ X ≤ b)」を選び、μ = 100、σ = 0.3、a = 99.5、b = 100.5 と入力して計算してみてください。
結果は約 90.44%。裏を返せば 9.56%、つまり100個作ると約10個が規格外という水準です。規格幅の片側が 0.5mm = 1.67σ しかないため、68–95–99.7ルールの「2σで95%」にすら届いていないことが数字で分かります。
ここで工程を改善し、ばらつきを半分の σ = 0.15mm に抑えたとします。同じ規格で計算し直すと約 99.91%、不良率は約 858ppm(100万個あたり858個)まで下がります。σ を半分にしただけで不良が約110分の1になる、というのがこの分布の効き方です。
| 条件 | μ | σ | 規格内 | 不良率 |
|---|---|---|---|---|
| 改善前 | 100.0 | 0.30 | 90.44% | 約95,600ppm |
| ばらつき改善 | 100.0 | 0.15 | 99.91% | 約858ppm |
| 中心が0.1mmずれた | 100.1 | 0.15 | 99.61% | 約3,862ppm |
3行目に注目してください。ばらつきは 0.15mm のまま良好なのに、平均が規格中心から 0.1mm ずれただけで不良率は858ppmから3,862ppmへ、約4.5倍に増えています。ずれ幅は σ の 0.67 倍に過ぎません。ばらつきを小さくする努力と、中心を規格の真ん中に合わせる努力は、どちらが欠けても効果が消えるということが、μ を動かして再計算するだけで確認できます。工程能力指数 Cp が良好でも Cpk が低い工程で起きているのは、まさにこの状態です。
ケーススタディ3:発注点と欠品率のトレードオフ
調達リードタイム中の需要が、平均500個・標準偏差80個の正規分布に従うとします。在庫がこの需要を下回れば欠品です。「欠品率を何%まで許容するか」を決めれば、必要な発注点(安全在庫を含む在庫水準)が逆算できます。
手順としては、まず「z値から確率」タブでプリセットを押し、目標の欠品率に対応する z 値を確かめます。上側確率が欠品確率にあたるので、欠品率5%なら z = 1.645、1%なら z = 2.326 です。あとは 発注点 = μ + z × σ で計算します。
| 目標欠品率 | z値 | 発注点 | 安全在庫 |
|---|---|---|---|
| 10% | 1.282 | 603個 | 103個 |
| 5% | 1.645 | 632個 | 132個 |
| 1% | 2.326 | 686個 | 186個 |
| 0.5% | 2.576 | 706個 | 206個 |
欠品率を10%から5%へ半減させるのに必要な追加在庫は29個ですが、1%から0.5%へ半減させるには20個必要で、しかも元の在庫水準がすでに高い。安全在庫は欠品率に対して直線的ではなく、裾に近づくほど割高になるという構造がここに表れています。「欠品ゼロ」を目標に置くと在庫が発散するのは、正規分布の裾が無限に伸びていて、z を有限の値で止めない限り確率が0にならないからです。
実務で使う際は、需要分布が本当に正規分布かどうかの確認を先に行ってください。単発の大口注文が混ざる商材では分布が右に大きく歪み、この計算は欠品率を過小評価します。
計算精度と、プリセットz値が「ちょうど5%」にならない理由
「z値から確率」タブでプリセットの z = 1.645(上側5%点) を押して計算すると、上側確率は 4.9985% と表示されます。5.0000% にならないのを見て計算が間違っていると感じるかもしれませんが、これは正しい挙動です。上側確率がちょうど5%になる真の z は 1.644854… という無限に続く値で、統計表で慣習的に使われる 1.645 はそれを小数第3位で丸めたものだからです。丸めた入力を入れれば、出力も丸めた分だけずれます。
| プリセット | 呼び名 | 表示される上側確率 | 両側確率 |
|---|---|---|---|
| 1.282 | 上側10%点 | 9.9921% | 19.9843% |
| 1.645 | 上側5%点 | 4.9985% | 9.9970% |
| 1.960 | 上側2.5%点 | 2.4998% | 4.9996% |
| 2.326 | 上側1%点 | 1.0009% | 2.0019% |
| 2.576 | 上側0.5%点 | 0.4998% | 0.9995% |
ツール自体の計算誤差はこれとは別の話で、桁がまったく違います。累積分布関数は誤差関数 erf の多項式近似(Abramowitz & Stegun 7.1.26)で求めており、erf の絶対誤差の上限は 1.5×10⁻⁷ です。この誤差は z が0に近い領域で最大になり、裾へ行くほど絶対値としては小さくなります。
ただし裾では確率そのものが極端に小さくなるため、相対的な精度は裾ほど落ちます。目安として、|z| が5付近では確率の相対誤差が0.2%程度、6付近では0.4%程度になります。品質工学で 5σ・6σ の水準を扱うときに末尾の桁まで根拠に使うのは避け、桁のオーダーを掴む用途に留めてください。逆に |z| が3以下の通常の検定・推定の範囲では、表示されている小数第4位の%まで実用上そのまま信頼できます。
また、このツールが計算するのは「値 → 確率」の方向のみです。「上側確率が2%になる x を求めたい」といった逆方向(分位点・パーセント点の算出)には対応していません。近い値は「z値から確率」タブで z を少しずつ変えながら追い込むか、上の表のプリセットを起点に x = μ + z × σ で手計算してください。
陥りやすい誤解・使う前に確認すること
- 正規分布でないデータに当てはめてしまう
- 最も重大な誤りです。年収、Webページの滞在時間、機械の故障までの時間、コールセンターの待ち時間などは、いずれも左端が0で右に長い裾を引く非対称な分布になり、正規分布では近似できません(それぞれ対数正規分布・指数分布・ワイブル分布などが使われます)。正規分布を仮定すると、負の値に確率を割り当ててしまったり、裾のリスクを大幅に過小評価したりします。μ と σ を入れる前に、必ず元データのヒストグラムを描き、左右対称の山になっているかを目で確認してください。
- 平均と中央値が離れているのに気づかない
- 正規分布では平均・中央値・最頻値が一致します。手元のデータで平均と中央値が明らかに食い違っているなら、それは分布が歪んでいる証拠であり、このツールの結果は使えません。
- z = 1.96 を「95%」だと覚えてしまう
- z = 1.96 の上側確率は2.5%で、−1.96 から +1.96 までの区間が95%です。片側検定で有意水準5%を使うなら境界は 1.645 で、1.96 ではありません。両者の取り違えは検定の結論を変えるほどの差になります。区間確率モードで a = −1.96、b = 1.96 を計算すると95%が確認でき、感覚として定着します。
- p値を「帰無仮説が正しい確率」だと解釈する
- 上側確率をp値として使う場面は多いですが、p値は「帰無仮説が正しいと仮定したときに、観測されたのと同じかそれ以上に極端な結果が出る確率」です。仮説そのものが正しい確率ではありません。
- 標本の標準偏差をそのまま σ に入れる
- このツールは入力された σ を母標準偏差として扱います。手元の少数のデータから推定した標準偏差を入れる場合、推定の不確かさが無視されるため、確率はやや楽観的に出ます。標本サイズが小さい(目安として30未満)ときは、正規分布ではなく t 分布を使う場面である可能性を検討してください。
- 区間確率のz値表示は下限のものだけ
- 区間確率を計算したとき、結果欄の「z値(標準化)」に出るのは下限 a を標準化した値のみです。上限 b の z 値は表示されないため、必要なときは z =(b − μ)÷ σ を手計算するか、上限だけで下側確率を計算し直してください。
- グラフの表示範囲は μ ± 4σ に固定
- グラフは常に平均の前後4σぶんだけを描きます。境界値をこの外側(たとえば μ + 5σ)に置くと、下側確率では曲線全体が塗られたように見え、上側確率では塗りが見えなくなります。計算結果の数値は正しいので、グラフは「見えている範囲の絵」として読んでください。
- 入力そのものの制約
- σ に0以下を入れるとエラーになり計算されません。区間確率で a > b の順に入れた場合は自動で入れ替えて計算されるため、エラーにはなりません。
よくある質問(FAQ)
- 偏差値との関係は?
- 偏差値 = z値 × 10 + 50 で変換できます。μ=50・σ=10に設定すると偏差値計算として使えます。偏差値70はz=2.0に相当し、上位約2.3%です。
- 上側確率と片側検定p値の関係は?
- 片側検定(右側検定)のp値はz値の上側確率です。z=1.645のとき上側確率≈5%、z=1.960のとき上側確率≈2.5%(両側検定5%有意水準の境界値)です。
- 計算精度はどのくらいですか?
- Abramowitz & Stegun(1964)の近似式(最大誤差 ≤ 1.5×10⁻⁷)を使用しています。統計実務で必要な精度(小数点以下6桁)は十分に確保されています。
- z値が3以上の場合も計算できますか?
- 計算は可能ですが、z=4のとき確率は約0.0032%と非常に小さくなります。グラフの視認性が下がるため、z値の絶対値が4を超える場合は参考値としてご利用ください。
- 区間確率でa>bを入力するとどうなりますか?
- a>bの場合は自動的にa・bを入れ替えて計算します(エラーにはなりません)。
- 標準偏差σに負の値や0を入力するとどうなりますか?
- σは正の値である必要があるため、0以下の値を入力するとエラーメッセージが表示され計算は実行されません。
- このツールはオフラインでも使えますか?
- 一度ページを読み込めばグラフ表示(Chart.js)以外はオフラインでも動作します。計算ロジックはすべてブラウザ内で実行されます。
参照・免責事項
- Abramowitz, M. & Stegun, I.A. (1964). Handbook of Mathematical Functions. — erf近似式 (7.1.26) の出典
- 正規分布の累積分布関数はerfc近似(最大誤差 ≤ 1.5×10⁻⁷)で計算しています
免責事項:本ツールの計算結果は参考値です。学術研究・金融業務・医療判断などの重要な用途では専門ソフトウェアや専門家にご確認ください。計算結果の正確性について当サイトは一切の責任を負いません。